小説吉田学校

小説吉田学校

1983年公開の日本映画、原作は政治評論家・戸川猪佐武の政治小説です。

昭和23年、GHQ民政局次長のチャールズ・ケージスは、新内閣の総理大臣には民自党幹事長・山崎猛が望ましいと伝える。
だが、党総務会における一年生議員・田中角栄の発言などによって形勢は逆転し、第二次吉田内閣が成立する。
吉田は、みずからの勢力を拡大するため議会の解散を図り、選挙において民自党は圧勝、吉田派は大量の新議員を誕生させ、吉田学校と呼ばれるようになるのだった・・・。

昭和の激動期、民主主義を歩み出した日本の政治家たちの物語です。

吉田茂役の森繁久彌、三木武吉役の若山富三郎などのキャストで、重厚な作品に仕上がっています。
特に森繁久彌や若山富三郎の演技がみごとで本物の政治家以上の風格・威厳を感じます。
また、麻生和子役の夏目雅子がドラマに花を添えています。

今の時代では、もうこのような映画は作れないだろうなあと思います。
(そんな俳優がいません。)

この映画は白黒とカラーの2部で構成されています。
前半の白黒部分では、日本が戦争に敗れて GHQ の統治下にあった時代で、吉田茂がサンフランシスコ講和条約に漕ぎ着け、実質的な独立を勝ち取るまでが描かれています。

日本の独立を勝ち取ろうとした吉田の覚悟や吉田の密命を受けた外務省の官僚が講和条約の草案を作る描写は良かったです。
国際政治のなかで日本を守ろうとする政治家たちの思いがひしひしと伝わってきます。
また、まだ若造だった田中角栄の発言シーンも見どころです。

後半はカラーで、この辺りから今日の政治をみるようなドロドロとした主権争いが始まります。

吉田茂(森重久弥)、池田勇人(高橋悦司)、佐藤栄作(竹脇無我)、田中角栄(西郷輝彦)VS 鳩山一郎(芦田伸介)、三木武吉(若山富三郎)、河野一郎(梅宮辰夫)の構図ですね。

単なる派閥の抗争で、前半部分に比べて政治理論などは何も語られていません。
しかし、これが結構面白いのです。

この作品では、吉田茂が退陣するまでの物語を描いていますが、原作の小説ではまだまだ続きがあります。

ぜひ、続きを読んでみたいと思います。

評価 9

Author: balkan

素人プログラマー Windows用ゲームソフトの開発